製紙メーカー APP > トピックス > お知らせ > オキ紙パルプ工場(OKI工場)に関するアジア・パルプ・アンド・ペーパーの声明 2016年4月20日

アジア・パルプ・アンド・ペーパー・グループ(APP)は生産能力の責任ある増強に向けた拡張計画の一環として、2013年にオキ紙パルプ工場(OKI工場)を買収しました。これは、拡大する市場の需要に引き続き応えていくために、また、インドネシアの国際貿易への貢献のために当社にとって極めて重要なことでした。

OKI工場の当初の生産ライセンスは年間200万トンのパルプ生産を認めるものであり、認可を受けた環境影響分析ライセンスと共に、インドネシア投資調整庁(Capital Investment Coordination Agency/BKPM)によって発行されました。

同工場は今年から徐々に生産を開始し、需要と原材料の入手状況に応じて生産量を上げていく予定です。同工場の設計上の生産能力は年間280万トンですが、パルプの生産量や今後の生産拡大は、原料供給会社の原材料の供給状況に応じて変わってきます。

パルプ材供給会社の供給可能量に応じてパルプ生産を調整できるよう、当社は生産と原材料の供給状況のモニタリングと見直しを継続的に行っていきます。当社のパルプ材供給会社は引き続き「森林保護方針(FCP)」のすべての誓約――とりわけ、2013年2月以降、パルプ材供給会社による自然林の伐採を禁止する誓約――による制約を受けることになります。

自然林の保護はFCPの4大重要項目のひとつであり、2013年2月以降、APPとその原料供給会社が実践してきたものです。その目標は自然林を保護・保全し、APPと原料供給会社が独立したHCV(高保護価値)およびHCS(高炭素貯蔵)評価によって特定された非森林地域でのみ、植林開発を行うことです。また、地域住民が情報を与えられた上での自由意思に基づく事前の合意(Free Prior Informed Consent/FPIC)の実施が取り入れられているとともに、社会紛争解決への取り組みも行っています。100%植林木によるパルプ工場への安定供給を実現すべく、当社は真摯に取り組んでおります。

APPの生産能力は新OKI工場によって飛躍的に増大されますが、当社は生産の拡大よりFCP誓約を優先することを明言しています。FCPに掲げた誓約を守りつつ生産の最適化を達成するために、当社は以下の対策を実施いたします:

1. 植林地の生産性と歩留まりの向上:当社は病害虫対策の改善による歩留まりの向上に取り組んでいます。また、立ち枯れ率と廃棄率を減少させるために、機械を用いた収穫方法で効率性を向上させています。

2. 新しい樹種の研究:湿地帯の泥炭地でも成長できる収率の高い代替樹種を特定するため、APPは欧州のコンサルタントMott MacDonaldと協力してきました。この研究ではすでにいくつかの樹種が優先種とされており、まもなく現場での実験が始まることになっています。

3. インドネシア政府の法規とガイドラインに従い、サプライチェーンに地域コミュニティ林を導入:当社はサプライチェーンにおける地域コミュニティ林の取り組みを強化していきます。この取り組みの最大の目的は、地域コミュニティの知見を取り入れ、森林農業に加えて、パルプ材などの植林木の間作として換金性の高い作物の栽培および畜産を行い、貧困を削減することです。さらに、当社のコンセッション内外で生活している地域コミュニティの代替生計手段を強化すると共に、さらなる森林劣化と火災のリスクの減少も目指しています。

4. 世界の供給会社から木材チップを調達:上記の対策を行ってなお足りないことが判明した場合、当社の責任ある原料調達および加工方針に従って、同方針の要求事項を満たす他国の原料供給会社から木材チップを調達することも視野に入れています。

肝心なのは、FCPに掲げた誓約が何よりも優先することに疑念の余地はないということです。OKI工場の稼働によって、FCP誓約が影響を受けることは一切ありません。

泥炭地については、APPは現在、2015年の火災で焼失した地域の管理と再生に関する新しい方針と規則について、インドネシア政府とBadanRestorasiGambut(泥炭地再生機関)の指示を待っているところです。これは、泥炭地の最善管理慣行を目指す当社の誓約に沿ったものです。

参考:https://news.mongabay.com/2016/02/with-haze-threatening-return-indonesian-forestry-giant-pushes-peatlands-restoration-model/

当社の持続可能なビジネスモデルの実現のため、また、インドネシアの林産業全体のために、より持続可能で責任あるビジネスモデルを創出する道程で今後もFCPを実践していくにあたり、APPは誓約に関して一切の妥協も撤回も行わないことを改めて強調いたします。

アジア・パルプ・アンド・ペーパー・グループ
持続可能性担当役員
アイダ・グリーンベリー

注:
OKI工場の概要
南スマトラ州パレンバンのオガン・コメリン・イリルに建設されているOKI工場には、現時点で入手可能な最新鋭の環境技術が導入されています。同工場の電力は、パルプ生産工程と、木材樹皮がガス化する際に生成される、公害を引き起こさない自給自足のエネルギーで賄われます。

OKI工場は、排気に関する業界最高基準――特にEUの統合的汚染防止管理(Integrated Pollution and Prevention Control/IPCC)指令――を満たすように設計されています。また、同工場では直接的・間接的に約1万人の雇用が生まれます。当社は南スマトラ知事の雇用促進および地域経済発展計画に従って、南スマトラ住民の皆さまを優先的に採用する方針でおります。



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