製紙メーカー APP > 環境・社会への取り組み(CSR) > CSRニュース > インドネシアにおける煙害とアジア・パルプ・アンド・ペーパーグループ(APP)に関する報道について

 現在、ご周知の通り、エルニーニョがもたらす乾燥した気候も相まって、インドネシアでの煙害がシンガポールなど近隣諸国にも広がり、社会問題となっています。これに伴い、インドネシア政府やシンガポール政府は、この原因究明に向けた調査活動を継続して行っています。
 そうした中、一部のメディアでは、煙害につながる森林火災を引き起こしている原因の一つがAPPのサプライヤーであるという論調の報道がなされています。また、本日、シンガポールの流通店舗が本件に関与する企業の製品を店頭から撤去する動きが出始めているとし、APP製品も該当しているとの報道がございました。

 APPは、この煙害問題を危急性を帯びた問題だと強く認識しており、その解決に向けては、正確な事実認識が重要であると信じております。
 関係者の皆さまには、多大なるご心配をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げますとともに、改めて、現在把握している事実関係に関しまして、ここにご報告申し上げます。

 事実としては、APPのサプライヤー2社を含む4社がシンガポール政府の環境庁(NEA*1)より、同国の国内法*2に基づく「通知」を受けて、消火活動の実施や今後の再発防止計画の実行を要請されています。また、APPも同政府の「通知」を受け、同サプライヤーからの情報収集、および同管理敷地内で発生している火災対策に努めることを要請されました*3。APPは、NEAに全面的に協力し、森林火災に関する情報を開示し、かつコンセッション(管理地)への訪問及び現地確認を依頼いたしました。

<APPの森林火災への取り組みについて>  ※詳細は別紙「森林火災に関するファクトシート」ご参照
 APPは森林火災をとても深刻に捉えています。既に1996年より、植林地を開墾する際には火を使わない「火入れ禁止方針(Zero Burning Policy)」を導入し、サプライヤーに徹底させています。また、2013年に発表した「森林保護方針」では、「自然林伐採ゼロ方針(Zero Deforestation)」を誓約し、以来APP及びAPPのサプライヤーは植林地開発のための自然林伐採を一切行っていません。もしこれに反する事実があれば、該当サプライヤーとの契約は破棄します。
 森林が基盤の一企業として主張したいのは、森林を燃やして得るものは何もないということです。APPのパルプ材用植林地には、事業活動を行うために膨大な投資が行われています。一方で、防火や消火活動など森林火災に関わる費用は毎年膨大になっています。そして火災によって資産である植林地は大きな被害を被っています。従って、APP及びAPPのサプライヤーが、自らの収益に関わる植林地に自ら火をつけて森林火災を起こすということは、経済的にもまったく意味をなしえません。
 東南アジアの煙害の原因となっているインドネシア発の森林火災は、とても複雑に問題が絡み合って起こっています。そこには、地域コミュニティの土地権利、零細企業による違法行為、そして根本的な複雑性を生んでいる土地の使用権、区分け、所有権と自然保護の問題が含まれています。

 APPは今後も、シンガポール政府からのいかなる要請への対応も含め、引き続きあらゆるステークホルダーと連携して、インドネシアやシンガポールに深刻な被害をもたらしている煙害の原因となる森林火災の防止及び長期的な解決策を追及していきます。

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*1 National Environment Agency

*2 Transboundary Haze Pollution Act 2014年施行

*3シンガポール政府ホームページ;
Singapore sends notices to four Indonesian companies and seeks information from Singapore-listed APP (25 September, 2015)
【和訳】“シンガポール政府は、インドネシアの4企業に通告(notice)を送付し、シンガポール上場企業のAPPからも情報を求めている。(2015年9月25日付)
URL:http://www.gov.sg/news/content/singapore-sends-notices-to-four-indonesian-companies-and-seeks-information-from-singapore-listed-app

以上




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