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オキ(OKI)紙パルプ工場に対する疑問について

2021年7月23日

アジア・パルプ・アンド・ペーパー (APP) シナルマスは、オキ(OKI)紙パルプ工場の拡張計画に関していくつかの懸念事項や疑問が提示されていることを認識し、これらについて説明をいたします。

同工場への原料供給は、政府に提出して認可された作業計画に沿って、既存の生産エリアから引き続き行われます。

当社はAPPの既存の生産エリアに加え、すべての可能性のある原料供給会社に対して、原料供給会社の検証とリスク評価(Supplier Evaluation & Risk Assessment/SERA)プロセスを用いた厳格な検証を継続的に実施しています。

APPは原料供給会社の実績と持続可能性への誓約が遵守されているかを調査し、SERA評価に合格した会社だけを承認しています。各原料供給会社の詳細は、APPの持続可能性ダッシュボード(英語)でご確認いただけます。

APPの林業研究開発所(R&D)は、植林の平均年間成長率 (Mean Annual Increment/MAI)を上げ続け、土地の利用を最適化しています。同時に、APPの研究開発所は、原料の生産性を高める最新技術を追求すると共に、社会林業を通じて地域コミュニティと協働しています。

拡張計画はいくつもの段階を経て数年をかけて実施される時間がかかるものであり、APPはそのタイムラインや拡張の完了時期を明示することはできません。

APPは最終製品の需要も含む市況の変動を引き続き注視していきますが、これによって拡張の進捗が影響を受ける可能性もあります。また、上述した原料供給の状況を考慮する必要もあります。

オキ工場の生産能力の増強は、市場の需要を満たすことを目的としています。とはいえ、これは最近の計画ではなく、2016年にオキ工場が建設されたときから検討されてきたことです。オキ工場には、現在利用可能な最先端の環境技術が導入されています。同工場はパルプの生産工程や樹皮のガス化によって産み出されるクリーンかつ自給自足のエネルギーで稼働しています。また、現在利用可能な最先端の環境技術を備えることで、電力需要の90%以上をパルプ生産工程から生じたバイオマスを含む再生可能エネルギーによって賄うことができています。

またこの拡張は、雇用とビジネスチャンスをもたらすことを目的とした雇用創出法に記載されている、環境に対する投資を増やすという政府の方針にも従っています。

オキ工場は、輸出産業を支える一貫生産工場として建設され、以前は8年間にわたって助成金を付与されていました。さらに、法人所得税は2年間に渡り50%の控除を受けていますが、これはまだ有効です。

その他の懸念事項について;

森林破壊 –当社はMDA社と提携し、人工衛星Radarsat-2を使って、APPと原料供給会社の伐採権保有地内にある50万ヘクタール以上の保護地域と森林被覆の変化をマッピングし、ダッシュボード上で公開しています。さらに、第三者機関による検証については、世界4大監査会社の1社によるダッシュボードの監査を予定しており、その結果も公開される予定です。

APPの立ち位置は非常に明確であり、自然林の伐採禁止を約束し、持続可能な原料のみを使用することを誓約している森林保護方針(Forest Conservation Policy/FCP)を堅持していることを改めて表明します。

FPIC(Free, Prior and Informed Consent/十分に情報を与えられた上での自由意思に基づく事前の合意) – APPは2013年以降、森林保護方針に不可欠な要素として、FPICなどの人権に関する誓約を導入しています。それ以降、APPは土地の権利に関してFPICの原則を適切に実施するなど、森林伐採ゼロと地域コミュニティの活性化に関する誓約を順守するためにたゆまぬ努力を続けてきました。また、第三者による検証を受けている年次環境報告書「サステナビリティ報告書」においても、その進捗状況を公開しています。また、当社はこの問題に引き続き取り組み、年次ステークホルダー・アドバイザリー・フォーラムを通じて提起された問い合わせにも対応して参ります。

当社は、地域コミュニティの法的および伝統的な権利が確実に尊重されるために、工場の建設前にFPICを実施しています。会社と地域コミュニティとの間の紛争解決において、いかなる形態の暴力や脅迫を行使することは会社の方針に反するものであり、FPICの方針に違反するスタッフや取引先に対しては断固たる行動を取ります。

森林火災 – 森林火災は環境や周辺の地域コミュニティに損害を与えるだけでなく、APPの事業にも深刻な影響を与えます。そのため、APPは森林火災の可能性が最も高い地域の特定を目的として、伐採権保有地の境界線から5キロメートル先までを火災想定地域としてマッピングを行いました。このマッピングは、当社の伐採権保有地の周辺と乾燥しやすい地区として知られているオガン・コメリング・イリル(Ogan Komering Illir/OKI)地区で行われました。

また、ホットスポット(火災発生が疑われる箇所)のリスク軽減対策のために、当社の伐採権保有地近くのいくつかのポイントに訓練を受けた消防士が配備されています。消防士には消火装備一式が与えられるほか、消防ヘリコプター、パトロール用車両、消火器、火災監視塔、監視カメラなども整えられています。

事前の防火対策としては、総合森林農業システムのコンセプトに基づいた「森林火災防止のための地域活性化(DMPA)プログラム」を通じた地域コミュニティとの協働が行われおり、企業とコミュニティグループが協力して啓もう活動を行い、土地を整備する際に火を使う焼き畑の危険性について人々を教育しています。APPはまた、インドネシア国軍、警察、インドネシア国家防災委員会と協力して防火と火災被害の軽減に取り組んでいます。



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