2021年6月15日
2021年6月4日、レインフォレスト・アクション・ネットワーク(Rainforest Action Network/RAN)が「コンシューマー・グッズ・フォーラム(CGF)は土地の権利の侵害と人権擁護家に対する暴力の実際の根本原因を無視し、森林破壊の危機をあおる自らの役割を『根付かせよう』としている」とするブログ記事を投稿しましたが、それに対する当社の見解を申し述べます。活動家団体RANはこのブログ記事で、インドネシアにおける「FPIC(Free, Prior and Informed Consent/十分に情報を与えられた上での自由意思に基づく事前の合意)」に関するRAN独自の報告書を根拠として、APPはFPICに従っていないと攻撃しています。RANの非難はあまりに露骨であり、真偽を明確にする必要があります。
APPは2013年以降、森林保護方針に不可欠な要素として、FPICなどの人権に関する誓約を導入しています。当社は関連する資料を当社のダッシュボード*で公開しており、FPICの仕組み*、紛争解決ガイド*、紛争解決とアプローチ*などの関連資料をご覧いただけます。
2013年以降、APPは土地の権利に関してFPICの原則を適切に実施するなど、森林伐採ゼロと地域コミュニティの活性化に関する誓約を順守するためにたゆまぬ努力を続けてきました。最も客観的な監視者も、APPの進展状況を評価*しています。また、第三者による検証を受けている年次環境報告書「サステナビリティ・レポート」においても、その進捗状況を公開しています。
インドネシアのような開発途上国での事業は極めて困難です。インドネシアの土地紛争は複雑であり、政府代表、コミュニティのリーダー、市民社会を含む複数の当事者による連携と協力が必要です。信頼を深めるため、調停プロセスは常に非公開で行われます。討議中の情報は、全員に合意され、解決に役立つ場合にのみ公開されます。客観性を高めるために、市民社会団体を含む第三者も討議に参加するために招かれます。このようにして、参加者はプロセスの機密性を守ることを求められます。会議の議事録は、すべての当事者が署名するとともに保管しています。APPは各ステークホルダーとの会合において、会議の詳細を含む進捗状況を公開しています。
首尾よく解決に至るまで、すべての調停プロセスに数年を要することがあります。2013年以降、APPはこうした紛争の半数以上*を解決しており、紛争解決に向けてさらなる努力を続けています。こうした取り組みでは多くの場合、企業側が地域コミュニティに大きな譲歩をすることとなります。詳しく見ていただければ、解決困難な紛争が依然として残っていることがわかります。それにも拘わらず、APPはこうした紛争を解決することを約束しています。これは、こうした問題が解決されるまで現地作業に取り組まない、というFPICに対する当社の誓約です。
現地の多くの社会的課題の根底にあるのは、地方で暮らす人々の貧困です。地域コミュニティの農業を推進する政府の取り組みを支援するため、APPは自主的に自社の伐採権保有地を放棄しました**。またAPPは、DMPA(森林火災防止のための地域活性化)プログラムという重要な社会事業を立ち上げ、火の使用や森林破壊のない、より価値の高い持続可能な農業活動に取り組む村落を支援することを約束しています。これまでにAPPは現地の385以上の村を支援しており、このプログラムをさらに500の村に拡大していく予定です。
とはいえ、当社は完璧ではありませんし、多くの分野において改善が可能であることを認識しています。利害関係者からいただく建設的なご意見は、当社のプロセスと結果をより良いものする助けとなります。その一方で、具体性のない漠然とした意見や、歪んだ事実を用いた煽情的な攻撃は効果的な解決方法とは言えません。
RANやその他の関係者が具体的な懸念事項について確認を希望されるのであれば、当社は喜んで話し合いをさせていただきます。
* リンク先:英語
** リンク先:インドネシア語