2017年12月22日
先日、Associated Press(AP通信)がアジア・パルプ・アンド・ペーパー(APP)に関する記事の中で、根拠のない重大な申し立てを行いました。こうした申し立ては、5年間にわたって森林保護方針(Forest Conservation Policy/FCP)を実践してきた当社の真摯な取り組みと、持続可能性ロードマップ ビジョン2020の実現に向けた努力に対して疑問を投げかけるものでした。また記事は、当社の取り組みは誠実さに欠けていると示唆しています。これは虚偽であると同時に悪意に満ちた申し立てであり、当社は断固として抗議します。
記事の主張の第1の点は、APPは意図的にさまざまな形態で原料供給会社の資本を保有しているが、これは持続可能性に関する誓約を組織的に回避するためという申し立てです。この申し立てには裏付けがなく、論理的ではありません。当社のこれまでの声明で明確にお伝えしているように、APPのすべての原料供給会社は資本形態に拘わらず、同じ高い基準を求められています。なぜ、資本形態の違いによって当社の持続可能性誓約が弱体化することになるのか、当社には理解できません。
- 当社の原料供給会社との関係はすべて森林保護方針と森林伐採ゼロ誓約の指針に従っています。
- 資本形態に拘わらず、現在および今後取引を行うすべての原料供給会社は、当社の責任ある原料調達および加工方針(Responsible Fibre Procurement and Processing Policy/RFPPP)および地域コミュニティの「十分に情報を与えられた上での自由意思による事前の合意(Prior and Informed Consent/FPIC)」に関する順守方針を順守しなくてはなりません。
原料供給会社が当社のこうした方針に違反した場合、APPは契約を解消することができます。森林保護方針を完全に実施するために、APPは明確な苦情処理手順を設けています。方針の違反に関する懸念や申し立ては、それがいかなるものであっても、調査と公的検証報告を含むこの仕組みを通じて提起することができますし、その手順は高い透明性をもって公開されています。
記事の主張の第2の点は、森林保護方針の誓約を反故にするために、APPは意図的に伐採権保有地の存在を隠そうとしているという申し立てであり、ふたつの例が挙げられています。
一例目として参照されているのは、バンカ・ベリトゥン諸島にあるバングン・リムバ・セジャウテラ社(Bangun Rimba Sejahtera/BRS)という、まだ取引が始まっていない原料供給会社候補です。記事は、地域コミュニティから「十分に情報を与えられた上での自由意思による事前の合意(Prior and Informed Consent/FPIC)」を得るという誓約を反故にしようとAPPが「企んで」いると示唆しています。何を根拠にこのような結論が導かれたのか、当社にはわかりかねます。APPが同社の査定を行っていたのは事実ですが、BRSは植林活動はおろか整地さえまだ開始していないと理解しています。同社はまだ、FPICを得るべく地域コミュニティと取り組もうとしている段階です。FPICが得られない限り、APPはこの原料供給会社からの原料調達を承認することはありません。
二例目として参照されたのは、ムアラ・スンガイ・ランダク社(Muara Sungai Landak/MSL)です。記事は、APPはMSLによって間接的に森林伐採ゼロの誓約を反故にできるようになったとしています。しかし、MSL社はAPPの原料供給会社ではなく、APPとの取引関係はないときっぱりと断言できます。
APPがこうした類の非難の矛先となったのは初めてではありません。方針を順守していない企業と取引があるという見解を打ち消すため、APPは2014年に第三者評価を行いましたが、その最終報告書においても当社側の不正行為は確認されませんでした。
AP通信社が発表した作り話は国際的メディア組織に期待される高い水準にははるかに及びません。これはAPPの評判を著しく傷つけるものであり、当社は上述の懸念に対処するためにAP通信社と話し合いを行う所存です。