【2020年7月15日―ジャカルタ】本日、アジア・パルプ・ペーパー(APP)は第9回ステークホルダー・アドバイザリー・フォーラムを開催し、NGOを含むステークホルダーの皆さまに持続可能性ロードマップの進捗を報告するとともに、課題と解決策について討議しました。またAPPはこのフォーラムで、2030年に向けた最新の目標と、オンラインで公開されている改訂版森林モニタリング・ダッシュボードについて発表しました。ダッシュボードの目的は、サプライチェーン内にある保護・保全地域の森林被覆を監視するなど、関係者の皆さまがAPPの自然林伐採ゼロ誓約の進捗状況を追跡、把握する際のお手伝いをすることです。こうした試みは、説明責任を果たし、透明性を向上させるAPPの取り組みの一例に過ぎません。
本日グリーンピースが行った申し立ての多くは、ステークホルダー・アドバイザリー・フォーラムなどの話し合いの場で以前から取り上げられてきたことです。こうした申し立てに反し、APPは2013年以降、泥炭地の転換を行っていません。また、すべての事業所で火入れ禁止方針を実施しており、今後も火を使うことはありません。これはAPPの森林保護方針の誓約に沿うものであると同時に、インドネシアの法律に従うものでもあります
泥炭地に関する申し立てについては、グリーンピースがどの地図を使って分析を行っているのか、わかりかねます。APPは泥炭の専門研究機関であるデルタレスとともに、すべての原料供給会社の伐採権保有地について、植林地と環境保全地域を含めた包括的なLiDARマッピングを実施してきました。
最近では2018年にもマッピングが行われましたが、その際には精度の高い泥炭マップが作成されました。この泥炭マップは政府の環境林業省に共有されており、インドネシアの新たな泥炭規制のもと、保護すべき貴重な泥炭ドームを特定する際の根拠として使われています。
APPは60万ヘクタールを超える環境保全地域を保護することを誓約しており、貴重な泥炭ドームを含む10万ヘクタール以上の荒廃地を今後5年間で再生する計画を作成しました。当社はさまざまな専門家や研究機関と連携しており、森林再生の方法やその実施についてご支援いただいています。
また、森林再生がどの程度進展しているのか、毎年確認が行われることになります。今後も最新の技術を取り入れて、再生された林地の機能を測定する方法を模索してまいります。
火災の申し立てについて申し上げると、土地を整備する際、APPが火を使ったり、使わせたりすることはありません。APPの原料供給会社は火を使って土地を整備することを禁止されていますが、伐採権保有地内で火災が起きないわけではありません。原料供給会社の伐採権保有地内の土地利用は複雑であり、現場は今でも課題を抱えています。伐採権保有地の中やその周辺にある村落が、そうした課題の一部であることもあります。
APPは火災の危険性を認識しており、この問題に対処するためにいくつかのプログラムを実施してきました。APPの総合森林農業システムは、地域コミュニティと密接に連携して火災の主な原因である地域の貧困の撲滅を目指す取り組みであり、持続可能な農業を推進するとともに、火災の危険性について小規模農家への教育を行っています。このプログラムは現在までに335の村で実施され、21,000世帯以上がその恩恵を受けています。
またAPPは、季節的な火災という深刻な問題に取り組むために、防火や消火能力の構築において著しい進歩を遂げました。当社はこれまで、総合火災管理計画の強化に1億5,000万ドル以上を投資するとともに、3,000人以上の消防隊員を訓練して現場に派遣してきました。原料供給会社の伐採権保有地を火災の脅威から守るのは当社の責任です。依然として、第三者が発端となった火災や、伐採権保有地の外で発生した火災のもらい火という重大な課題に直面していますが、管理地での火災の被害は大幅に軽減することができました。こうした取り組みの結果、火災の被害を原料供給会社の伐採権保有地全体の2%未満に抑えることができました。
世の中に完璧なものなどありません。私たちも過去には失敗しましたし、今後も過ちを犯すかもしれません。しかし、過ちを正し、誓約を守り抜きたいという当社の決意に偽りはありません。APPは、中央政府や地方政府に加え、多くの団体と緊密に協力し、環境保全や森林再生、社会プロジェクトを実施する際の現地支援を行っています。この取り組みには困難が伴うことが多く、パートナーの皆さまのご協力に感謝しております。
グリーンピースのような組織は、企業が説明責任を果たす上で重要な役割を担っており、こうしてご意見をいただけることをありがたく存じます。しかし、確実かつ持続的な変化をもたらすには、客観性をもって積極的に課題に取り組む姿勢が求められます。まず成し遂げたことを評価しつつ、その上で課題が残る分野を改善すべく継続的に取り組んでいくことが重要だと考えます。
APPは持続可能性誓約の一環として、十分な証拠によって裏付けられた問題に対処できるよう、苦情処理の仕組みを実施してきました。すべての申し立てを徹底的に調査し、必要な措置をとり、共に最善の解決策を見出すために、今後も喜んで協力させていただきたいと思います。