オランウータンは人間とのDNAの違いがわずか2%と、非常に近しい存在。
そんなオランウータンですが、この100年の間で、その生息数が激減し、絶滅危惧種に指定されています。
一生のほとんどを熱帯雨林の樹の上で暮らすオランウータンは、400種もの果物や葉、木の皮、花、蜂蜜、昆虫などを食料としています。そのため、100ヘクタール以上という広大な自然のバランスが取れた熱帯雨林がなくては生きていけません。
そのため、急速に進行する熱帯雨林の消失は、生活の場をなくすことで、オランウータンの生存に深刻な影響を与えています。
かつて東南アジアの広い範囲に広く生息していたオランウータン。
現在は熱帯雨林の減少により、世界で2つの島にのみ生息しています。
インドネシアとマレーシアの国土であるボルネオ島、そしてインドネシアのスマトラ島北部が現在の生息地です。
熱帯雨林は「地球の肺」とも呼ばれ、二酸化炭素の吸収、気候の安定などの生態系サービスを私たちに提供してくれます。
また、多種多様な動植物が共存し、生物多様性の宝庫であることから様々な生物資源を供給してくれます。
一方、オランウータンは、熱帯雨林で実植物の果実を食べ、その種子を糞として分散させることで、適正な森を作り、維持していくことから、「森をつくる人」でもあります。
オランウータンの保全活動は、熱帯雨林とそこに息づくすべての生物の保全へとつながります。
身体の特長
赤茶色の毛でおおわれています。
メス:体長 約1m / 体重 約40kg
オス:体長 約1.5m / 体重 約120kg
オスは成熟すると、「頬だこ」と「のどの共鳴袋」が発達します
オランウータンの子ども
野生のメスは4,5年に1度、1頭のみ出産し、生涯に3頭しか子供を産みません。
妊娠期間は8.5ヵ月と、子供の母親への依存期間は、人間に次いで2番目に長いとされています。
大人のオランウータン
オランウータンは約8歳で成熟しますが、子どもをつくり始めるのは15歳頃からです。
なお、自然の状態で35~40歳くらいまでが寿命とされ、飼育下では、50歳代まで生きることもあります。