EUにも認められたSVLK認証を4工場が取得、年内に全工場で取得へ
2012年8月6日、インドネシア・ジャカルタ――アジア・パルプ・アンド・ペーパー・グループ(APP)は、これまでに自社の生産工場4か所がインドネシアの新たな木材合法性検証を終えSVLK認証を取得、その他工場も順調に検証を進めていることを発表いたします。EUだけでなくグローバルに見ても厳格な合法性要件を満たしたという意味において、APPは、大きく前進したといえます。
ジャワ島にあるインダ・キアット社のセラン工場が8月1日、APPで4件目となるSVLK認証を取得しました。
また、これまでに6つのAPP工場が認証を取得済みまたは監査に合格しており、残るインドネシア国内の2工場でも2012年末までに認証を取得できる予定です。
SVLKはインドネシア国内で採取・加工された木材の合法性を担保するシステムです。SVLKによって厳格な加工・流通過程管理(CoC)プロセスが設定されており、認証を受けた工場は合法な木材だけを受け入れ加工していること、また、インドネシアから輸出されるすべての製品について生産地の特定が可能なことが保証されています。
APPの持続可能性担当役員アイダ・グリーンベリーは次のように述べています。
「APPは、インドネシア政府がEUをはじめとする世界標準と比べても最も厳格な合法性基準を導入したことを歓迎しています。そして、このたび当社が4件のSVLK認証を取得することができましたのは、業界リーダーとしての当社の意欲の表れです」
今後、インドネシア企業が新しい欧州木材規制(EUTR、木材製品の出荷に関する事業者の義務に関するEU規制)の要件を満たしていく上で、SVLKは重要な役割を果たします。インドネシアとEUは2011年4月に、「森林法の施行・ガバナンス・貿易に関する行動計画(FLEGT)」の下で自発的パートナーシップ協定(VPA)を締結しました。この協定によって、SVLKはインドネシアの木材合法性を保証する信頼できるシステムとして認められました。EU・インドネシアのVPAは、EUTR導入時の2013年3月に施行される予定です。
グリーンベリーは、次のようにも述べています。
「SVLKはインドネシア政府の果敢な政策です。これにより、取引先、お客様、そして最終的には消費者の皆様に対し、当社製品が検証可能であり、合法性、CoC、持続可能性においてインドネシアの厳格な要求事項を満たしていると証明することができます。EU加盟国をはじめとする世界の国々からはますます高度な透明性と説明責任を求められていますが、今後SVLKはインドネシアの林産品が合法的に調達・加工されていることを検証する新しい基準となっていくでしょう。つまり当社といたしましては、諸外国でもSVLKを新たな基準と認めていただきたいと考えています。また、工場の認証取得は当社にとって重要な節目であり、持続可能性ロードマップで設定している戦略目標に向かって今後ともAPPはさらに前進してまいります」
APPは国際的な合法性基準を満たすだけでなく、6月には2020年を見据えた持続可能性ロードマップを発表しています。このロードマップでは、APPが2015年までに原材料の調達を完全に植林地からのみに移行することを目指しています。さらには、保護価値の高い森林(HCVF)に関して国際的に認められた原則に基づき独立監査人による査定が現在行われています。ここでは、自社保有の森林ならびに独立系のパルプ材供給会社の森林も評価対象となっています。HCVF査定は現在実施中ですが、HCVFの管理計画が導入されるまでAPPは自社保有の森林コンセッションにおいて自然林の転換を一切停止しています。
以上
参考情報
【APP について】
インドネシアに本社を置くAPPインドネシアは、アジア最大級の総合製紙メーカーで、世界120ヶ国を超える国々で製品を販売しています。インダ・キアット紙パルプ会社、ピンド・デリ紙パルプ会社、チウィ・キミア製紙会社、ロンター・パピルス紙パルプ会社、エカマス・フォルトゥナなど、インドネシアにある複数の工場で生産されている紙製品の総合ブランドでもあります。APPの生産設備の大部分はLEIとPEFCによる加工・流通過程認証を取得しています。APPは、ギアム・シアク・ケチル-ブキット・バツにある178,000 ヘクタールの生物圏保護区、106,000 ヘクタールのセネピストラ保護区など、多くの大規模な環境保全取り組みを支援しています。この両保護区はスマトラ島リアウ州に位置しています。APPによる野生生物保全取り組みには、他にもカリマンタンでのクタイ・オランウータン・プログラムや、ウジュン・クロン国立公園でのジャワサイの保護への支援などがあります。【SVLKについて】
合法性検証システム(Sistem Verifikasi Legalitas Kayu/SVLK)は2009年にインドネシア政府により制定された厳格な加工・流通過程管理(CoC)プロセスです。このシステムは工場が合法な供給源からのみ木材を受け入れ・加工していること、またインドネシアから輸出されるすべての木材製品が合法で、生産地の特定が可能なことを保証します。認証は国立認定委員会(KAN:National Accreditation Committee)によりライセンスが付与され、市民団体や林産業界の専門家で構成された林業独立監視ネットワークにより監視されています。本件に関するお問い合わせ先:
エイピーピー・ジャパン株式会社環境・PL 対策ユニット
寺崎 孝穂
Tel: 03-5217-1256
Email: t-terasaki@appj.co.jp